2007年4月23日月曜日

炭水化物抜きダイエットの原点は19世紀フランスにあった!(サヴァランが書いていた!)



今日読んだ本、古典中の古典ブリア・サヴァランの『美味礼讃』(初版1826年)。これは「哲学書」ですぞ。人生についてのあらゆる知恵が入っている。もちろん食に関しても。でも「肥満対策」について書いてあったとは、知らなかったな〜。これはニッポンの偏った「食育」文化では無視されていた記述。読むべし。

この本:
美味礼讃 (上)
美味礼讃 (上)ブリア‐サヴァラン 関根 秀雄 戸部 松実

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美味礼讃 (下)
美味礼讃 (下)ブリア‐サヴァラン 関根 秀雄 戸部 松実

岩波書店 2005-08
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この中の「黙想二十一 肥満について 肥満症の原因」から抜粋:
  1. 肥満の原因の第一は、生まれつきの素質による。
  2. 肥満症の第二の原因は、澱粉質にある。澱粉は砂糖とともに用いられると、一層迅速にその効果を現す。澱粉は、ビールやそれに類する飲料によって流し込まれても、やはり肥満を来すことにかわりはない。終始ビールなどを飲む国民の間にも、やはり素晴らしい太鼓腹が見いだされる。
  3. 睡眠の延長と運動不足とは、互いに持ちつもたれつして肥満症の一つの原因となる。
  4. 肥満症の最後の原因は、食べ過ぎ飲み過ぎである。

すごく簡潔にして明確。まさにアトキンス博士の処方箋通りではないか。「肉と脂肪と野菜は制限しない。制限するものは、糖質と炭水化物である」というアトキンスなどのローカーボ・ダイエットは、ニッポンの「食育」先生と、「国民はすべからくコメを食え!」といいと言う自分の商売繁昌しか考えない農村利権団体から、両ばさみの総攻撃を受けているが、19世紀初頭ナポレオン戦争直後のサヴァラン先生が処方している「由緒正しい」ダイエット法なのであった。19世紀のフランス教養主義は、さすがである。

サヴァランは日本では値段に糸目を付けずに食に拘る「美味しん坊先生」という風に解釈されているが、この本を読めばそうでもないことが分かる。「食事とは、あくまでもコミュニケーションの手段である」と明確に書いてあるのだ。ローマ人のような暴飲暴食は下品であるとも書いている。高い食材ばかりに拘るのではなく、年収5000フラン(500万円)クラスの中流階級と年収3万フラン(三千万円)クラスの富裕階級で、それぞれのそれなりの「美味礼讃」があると、具体的にメニューまで書いて説明している。

「おいし〜!」連発ばかりがグルメではない。グルマンディーの原点はこの本にある。一読おすすめ。

2007年4月13日金曜日

思えば母から運転教習を受けたのだった



今晩の日経「こころの玉手箱」コラムでTDK会長の沢辺肇氏が運転免許教習所での屈辱体験を書いて居られた。40歳を過ぎて免許証が必要になったのだが、年下の教官からぼろくそに侮辱されたのがトラウマとしていまでも残っているとのこと。そのことを思えば、教習所に行かなくてすんだ散人は幸せだった。

運転免許証は18歳の春に取った。どうしても春休み中に取りたかったのだが教習所に行く時間が無く、母親に運転を実地で教えてもらった。当時、武庫川の河川敷に廃業した運転免許教習所のコースがあったので、母親と一緒にそこに毎朝数回通って練習した。その後すぐ、明石の運転免許試験場まで電車に乗って出かけ、一回目は見事に不合格だったが、二回目に合格した。おかげで運転教習所での不愉快な体験をせずにすんだ。

女性でクルマの運転が出来るというのはまだまだ少数派だった時代である。母親は、はっきり言って運転は下手くそだったが、とても格好良かった。その母親に教えてもらったおかげで、散人のクルマの運転は教師であった母親譲りそのまま。だから、いまだに車庫入れと縦列駐車は苦手だ。でも、免許試験場ではエンストは禁物で十点引きだが、一方坂道発進での空ぶかしはいくらやっても一点引きだから壮大にやればいいとか、いろいろ対策を教えてもらったので教習所に通わず免許が取れた。

その母親も、すっかり歳をとってしまって、昨年亡くなった。散人は、運転免許を取ってからすぐ実家を離れ、以来ほとんど実家に帰らなかった。もうちょっと母親孝行をして居ればよかったと、いまだに思う。

2007年4月11日水曜日

日経:日本の労働生産性、主要国で最低



今朝の日経:
NIKKEI NET:経済 ニュース: "日本の労働生産性が2005年時点で米国の7割程度と、主要国で最低水準にとどまっていることが内閣府の分析で明らかになった。就業者の多い卸・小売業、運輸などサービス分野で低迷が目立ち、米国との同分野での格差は2000年以降広がっている。IT(情報技術)の活用や規制緩和で差がついた可能性があり、日本経済の成長力強化へサービス分野の効率化が必要になりそうだ。"

さらに:
内閣府は06年の経済協力開発機構(OECD)などのデータから05年の主要国の労働生産性を比較。米国を100とすると、日本は71で主要国で最低の水準。ユーロ圏(87)や英国(83)のほか、OECD加盟国の平均(75)も下回った。(07:02)

とのこと。

ニッポン人がアメリカ人と同じ能率で働けば、人口が三割減っても大丈夫と言うこと。労働生産性向上対策の方が少子化対策より即効性がありそう。

日本の労働生産性が極度に低いのは、勤労者一人一人の問題と言うより構造要因が大きい。「既得権集団」が多すぎるのだ。

日経:日本の労働生産性、主要国で最低



今朝の日経:
NIKKEI NET:経済 ニュース: "日本の労働生産性が2005年時点で米国の7割程度と、主要国で最低水準にとどまっていることが内閣府の分析で明らかになった。就業者の多い卸・小売業、運輸などサービス分野で低迷が目立ち、米国との同分野での格差は2000年以降広がっている。IT(情報技術)の活用や規制緩和で差がついた可能性があり、日本経済の成長力強化へサービス分野の効率化が必要になりそうだ。"

さらに:
内閣府は06年の経済協力開発機構(OECD)などのデータから05年の主要国の労働生産性を比較。米国を100とすると、日本は71で主要国で最低の水準。ユーロ圏(87)や英国(83)のほか、OECD加盟国の平均(75)も下回った。(07:02)

とのこと。

ニッポン人がアメリカ人と同じ能率で働けば、人口が三割減っても大丈夫と言うこと。労働生産性向上対策の方が少子化対策より即効性がありそう。

日本の労働生産性が極度に低いのは、勤労者一人一人の問題と言うより構造要因が大きい。「既得権集団」が多すぎるのだ。

2007年4月7日土曜日

ヒメリンゴの花が開いた



三つ四つだけれど、咲いた。記念写真。

 

ヒメリンゴを剪らずに伸びっぱなしにさせておいたら、二階の屋根より高くなった。こうなるともう先端を短くできない(脚立では届かないし、細い幹だからハシゴもかからない)。風が吹くとゆらゆら揺れるが、折れることはない。まあ、いいでしょう。

2007年4月6日金曜日

毎月分配型投信は邪道であるか?……バルザック小説で検証する



団塊の世代がこぞって買うので大人気となっている毎月分配型投信であるが、その道の「ご専門家」には至って評判が悪い。あんなものは投資の正道ではないとか、円高リスクを見ていないとか、元本割れ確実とか、はたまた、あれのおかげで日本の資金は外債に流れるから日本株がさえないのだとか散々。本当にそうか。バルザックの小説(19世紀パリ)で検証してみよう。

取り上げるのは『ペール・ゴリオ』(ゴリオ爺さん)。あれにとても身に詰まる話が出ている。当時のフランスの金融市場はたいへん発達していて、ある意味では現代日本の金融市場より高度に発展した金融商品が目白押しだったのであるが、毎月分配型投信はなかった。当時のフランスに毎月分配型投信があれば、ああいう悲劇はなかったのである。

お話しとは:
ペール・ゴリオ パリ物語 バルザック「人間喜劇」セレクション (第1巻)
ペール・ゴリオ パリ物語 バルザック「人間喜劇」セレクション (第1巻)バルザック Honor´e de Balzac 鹿島 茂

藤原書店 1999-05
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starあんまりな・・・

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お金持ち(だった)ゴリオ爺さんは二人の娘を盲目的に愛している。二人には高額の持参金を付けて嫁にやり、自分はわずかばかりの年金で下流の下宿暮らし。ところが娘達はいっこうに親離れしない。妹娘の方が恋人と逢い引きのためのアパルトマンを買って欲しいと無心に来る。ゴリを爺さんは言う:
よし、年利1350リーヴル(135万円)の永久国債を売ろう、売ったお金のうち、1万5000フランで抵当権のしっかり付いた1200フラン(120万円)の終身年金を買っておいてから、残りのお金でお前の買い物をしよう。

この発言の意味するところを鹿島茂が解説してくれているが、つまり当時の国債利率は5%なので、売った国債の額面は27000フラン(2700万円)。12000フラン(1200万円)でアパルトマンの支払いを済ませ、残りの15000フラン(1500万円)で年間1200フラン(120万円)の受け取りのある終身年金を設定したと言うことなのである。

ところがこの終身年金とは一旦設定すると解約が出来ない。このすぐ後に姉娘の方が自分の恋人の借金の肩代わりのために12000フラン必要だと言ってくる。もうお金はない。ゴリオ爺さんは「娘がいるというのに終身年金なんか設定して、お前は娘がかわいくないのか」と叫んで壁に頭をぶつけて後悔する。あれやこれやで(結局終身年金を担保に高利貸しから400フラン借りるはめに)、ゴリオ爺さんは無一文になってしまうのだが、毎月分配型投信が当時あればそんなことはなかったのである。おまけにゴリオ爺さんはその後すぐ死んでしまうので終身年金は損だった。

ランティエの基本哲学は絶対に元本には手を付けないと言うこと。これを守らなかったゴリオ爺さんはその段階ですでに破綻しているのだが、自由に売買できる国債より売買できない終身年金の方が利回りが高いと言うことがミソ。国債よりはるかに分配率が高く、しかも自由に売買できる毎月分配型投信は、蓄財型の投資商品ではなく、この二つの中間点を狙った年金型商品としてとらえなければイケナイのである。

いままで創造性に全く欠けていたニッポンの金融界がはじめて魅力的な商品を作ったのである。そんな商品を思いつかなかった他のファンドマネージャーのねたみや中傷は無視して置いていい。

2007年4月1日日曜日

4/1 Today ドクター中松が東京を美しく安全な街にするための新発明を発表



いよいよ東京都知事選。さっき曙橋に降りたら、住吉町の交差点でドクター中松が街頭演説をやっていた。なかなかいいことを言っている。

要旨:
  1. 東京の街が国際的に相手にされないのは電線と電柱が蔓延っているため。ドクター中松の新発明を使えば簡単にすっきりさせることができる。地中に埋設してある水道管とガス管を電力線と通信ケーブルの替わりに利用するというもので、複数の波長の電磁波を同一配管の中に伝達させることで、電気はもとより、電話、ケーブルテレビその他一切の空中電線が不要になるのである。各家庭にコンバーターが必要だが、一台3500円で製作可能だし、現在の空中配線を撤去して銅線を中国に売れば充分その経費は賄えるのである。発明で東京をセンスのある街にしよう。
  2. 東京の街が暑いのは、緑が足らないためである。ドクター中松発明の新植物「タンポポラン・ナカマツ」の種子をヘリコプターで東京中にばらまくと、一ヶ月で東京中が緑になる。この植物は、タンポポとコチョウランとフユツタを掛け合わせたもので、住宅の屋根や壁などのほとんど土壌がないところでも気根を伸ばして空中から水分を摂取しながら生い茂ることが出来る。春にはタンポポのような花を咲かせてすこぶるきれい。東京全体で発生する二酸化炭素の5割をこれで吸収でき、おまけに直射日光を遮るので、東京の平均気温は約3度下がると見込まれ、夏の間のエネルギー使用量も大幅に削減できる。発明で東京を緑の街にしよう。
  3. 東京都民が日々の生活に不安を感じるのは、食糧供給に不安があるためだ。東京都民が食べる食料の8割は外国から輸入されるが、そのすべてが細い浦賀水道を通過する。農村ウヨクたちは、地産地消なぞと言って、都市住民が文句を言うなら食わさないぞと強迫するし、輸入に頼ろうとすると今度は一粒たりとも外国のコメは都民に食わせないと、浦賀水道に機雷を仕掛け輸入を妨害することを虎視眈々と狙っている。おかげで都民は不安に怯えているのだ。ここでドクター中松の新戦略。神奈川県から城ヶ島を委譲して貰う(代わりに夢の島を神奈川県に譲渡する)。城ヶ島にドクター中松発明のどんな機雷も無力化できる高速エージス艦を配置して、農村ウヨクの水道閉鎖工作への守りを固める。発明で東京の食糧安保を確保しよう。

ふむふむ、なかなかいいことを言っている。これらドクター中松の新発明は、都知事に当選した段階で、特許料無料で東京都に寄付するとのこと。彼に投票しようかな〜。

〔残念なことに、これはエイプリルフールでした〕